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駆1「透子にちゃんと話しておくんだろ?」
駆「ああ」
駆2「まだ決められないのか?」
駆「ああ」
駆1「先延ばしにしてどうするんだ?時間が経てば経つほど言いにくくなるだけだぞ」
駆「ああ」
駆2「お前がモタモタしてるのなら俺達が言っておいてやるよ」

駆1「母さんが演奏旅行に付いて一緒に世界を回らないかって誘ってくれてるんだ」
透子「え?それって――」
駆1「そうなれば透子とはしばらく会えなくなる」

透子「そんなの嫌だよ。やっとお互いの気持ちが理解し合えたのに・・・」

駆1「俺も透子と離れ離れになるのは不本意だから断るつもりだ」
透子「駆くん・・・ありがとね」
駆2「母さん。演奏旅行には俺も行くよ」
美和子「あらホント?」
駆2「うん。母さんと一緒にいる時間は昔から少なかったからね。たまには母さんとのんびり過ごしたいんだ」
美和子「嬉しいこと言ってくれるわね。ガールフレンドのあのコはどうするの?一緒に連れてく?」
駆2「ガールフレンドでもなんでもないよ。ただの知り合いだから一緒に行きたいとは思わない」
美和子「そう。じゃあ二人で世界を回りましょうか」
駆1「母さん。折角の誘いで悪いけど旅行には一緒に行けない。透子がいるからね」
美和子「アンタこの前一緒に行くって言ったじゃないの!」
駆2「透子。俺は親子の絆は大事だと思っている。だからお前とはこれで縁を切る。世界を見てくるよ」

透子「そんな・・・行かないって言ってたのに・・・」 
透子&美和子「駆(くん)!どういうことなの!?」
駆「まさか俺の分身が別々の事を言ったのか!?」透子&美和子「分身?何のこと?」
駆「"俺は影分身の使い手"で『俺の他にも俺があと二人いる』んだ」透子&美和子「頭大丈夫?」
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