2003年作品
会社はF&C
沙耶の唄と同じく10年前クリアしたの一ヶ月くらい前だから若干話忘れつつあるwwwwwww
シナリオライターは俺の大好きな健速です略称は『こなかな』
■シナリオ至って普通の日常を送っているようにみえる遙彼方
今日もいつも通りに起床して登校するために支度を整える
通学路にて彼方の親友である、島田耕介と佐倉佳苗がやってきて3人で談笑しながら学校へと向かう
テスト前ということで生徒達は慌ただしくなっていた
勉強も出来てお人好しな佳苗は同級生達に引っ張られあっと言う間に人混みの中へ
佳苗が戻ってくる前に彼方は"例の件"で午後から出掛けるとこっそり伝える
耕介は少々不安げな顔をしながらも頷いた
学校へ着くと先生から近々転校生がやってくるという話をがあった
3年生だというのにこんな時期に転校してくるとは珍しいということで彼方も興味が湧いた
午後になってから彼方は前もって耕介に言ってあったとおり学園をそそくさと後にする
彼方が居なくなったと後の事は全部耕介がフォローしてくれていた
そして彼方が向かった場所はとは――――
『県立がんセンター』
がん患者だけに特化した県が設立した病院だった
顔見知りの人達に和やかに挨拶をして目的の場所に向かう
自分の主治医である板橋先生に診察を受ける
目立った異常はないようなので点滴と鎮静剤だけ打って終わり
前々から入院を勧められていたが彼方は辞退していた
自分がもう取り返しのつかない"末期がん"であるとわかった時から、『残された時間で何が出来るか』をひたすらに求めていたからだ
なにより佳苗の事もある
がんだからといって臥せっているわけにはいかない
余命幾許もないからこそ普段通りに振舞わなければいけない
抗癌剤の副作用は強烈で鎮静剤が切れた後はまさに生き地獄と呼んでもいいほどの苦痛を伴う
両親も早くに他界してしまった彼方には手助けをしてくれる人は家にはいない
なので予め準備しておいた用具を使って自分一人でどうにかする
一段落ついて夜が明けると耕介が介抱しにやってきてくれた
耕介が去ってからもまだ彼方は動けずにいた
少なくとも数日間で元通り、というわけにはいかない
だが一睡してから目を開けると妙に体が楽になっていた
まだ3日目だというのにこれはおかしい
普段ならもっと正常な体に戻るまで時間を要する
と、そこで自分の膝上に重みを感じる
目をやるといつやってきたのか、どうしてここにやってきたのかも全くもって不明である、金髪の美しい女性が横たわっていた
仰天しながらも顔色が悪そうにしていたので女性を和室のへと運び寝かせる
しばらくしてから目を覚ましたので医者を呼ぶと伝えると、医者はダメだと制止される
その金髪の女性はクリステルという名でクリスと呼ぶ者もいるとのこと
クリスは最初言うか言うまいか躊躇していた事を意を決して彼方に打ち明けることにする
あまりにも突拍子な事なので驚かないで欲しい、と前置きしておく
私は――――
『吸血鬼だ』
予想はしていたものの彼方は聞くなりポカンとした表情をしていた
大方想像していた通りの反応だったがそれでも本当の事であることを何とかして伝えるクリス
クリスの説明を聞いているうちに彼方も段々と実感が増してきたのか信じ始める
で、ここに至るまでの流れはというと
クリスが彼方の家に不法侵入
↓
血に飢えていたクリスは彼方に噛み付いて血を吸収
↓
ところが彼方には抗癌剤の副作用がまだ残っていた
↓
クリスは彼方の毒気を自らの体内に取り入れてしまい、彼方の体内にあった毒気は無くなり正常時へ
とまぁこうしてみると彼方には何の非もなく、むしろクリスの自業自得なのだが見返りを求めない彼方は無償でクリスを養うことにした
突然舞い込んで来た本物の吸血鬼とやらに興味が湧いたのか、クリスは不可解な顔をしていた
吸血鬼であるクリスを匿いつつ過ごそうと思った矢先、朝彼方の様子を見に来た耕介にいきなりバレてしまう
幸い、耕介は口が固いので吹聴するような事は絶対しないが、寝込んでいるクリスを見て「もしかして彼女も――――」と気遣ってくれた
クリスはそうじゃないと伝えると耕介はホッとしたようだった
ともあれ、こうして吸血鬼と一つ屋根の下で暮らすという残り時間の少ない彼方にとんでもない非日常が訪れた
クリス(Normal)>佳苗≧いずみ&優>二十重>>>クリス(True)★クリス(Normal)クリスは彼方の抗癌剤の副作用をその身を以ってして体感して彼方の病がどれほど深刻なものかを即座に悟ったようだった
吸血鬼としての強力な再生能力があるとはいえ、ちとこの効果は常軌を逸している
普通の人間ならばどうなるのかは想像に難くない
一緒に住んでいる以上、クリスには隠し事はまかり通らないだろうと判断した彼方は自分の体の事を正直に話しておくことにした
クリスとの同棲が始まってからは彼方が学校へ行っている間の留守番を頼むことにした
まだ身体の具合が本調子でないこともあって休養の意味合いの方が強い
だが、好奇心旺盛なクリスは退屈なのが我慢ならなかったのか、学校まで来てしまった
彼方のいる教室に向かって校門から呑気に手を振っている
クリスを視界に捉えた彼方は形相を変えてクリスの元へと駆け付ける
「どうして来た?」と答えると「退屈だった」という単純極まりない呆れ果てるような模範解答
こうして大多数の人間に目撃されてしまった以上、ある程度の混乱は避けられない状況になってしまった
これを機に彼方にある案が思い浮かぶ
クリスを利用することによって"佳苗の好意を絶っておきたかった"のだ
佳苗は随分と昔から彼方の事が好きだった
しかしそう遠くない未来にこの世からいなくなることが確定している彼方にとって、佳苗の好意を摘み取っておきたかった
好きな人がある日いきなりいなくなったとしたら佳苗は壊れてしまうだろう
そのため、出来るだけ好意を別の対象へと向けておきたかった
だから彼方は以前から佳苗と耕介はお似合いだと何度も口に出していた
耕介は佳苗の事が好きだったし、後は佳苗の気持ちのベクトルを自分から耕介に変えるだけでよかったのだ
それで自分が逝った後も禍根を残さずに済む
クリスとあたかも恋人のように見える風体を装い、佳苗を待つ
耕介に呼ばれてやってきた佳苗はクリスと初対面
簡単な事情を説明して、恋人であることを強調して紹介
佳苗は得心したように落ち込みながらその場を後にする
とびきり下衆いことをした事に心が痛むが仕方のないことだ
耕介は心底胸糞悪そうにしていた
何せ自分の好きな人が目の前で他ならぬ親友からフラれる様を見せつけられたのだから
唐突にやってきたクリスはこの3人が一体今までどういう付き合いをしてきたのか詳しくは知る由もなかったが彼方の"自分が死ぬということは自分が死んだ後まで佳苗には知られたくない"という気持ちは理解出来た
クリスと帰路につく途中で何かおぞましい気配が体を通り抜ける
クリスもそれに勘付いたようである
あの妙な気配は「追っ手」とのことで、クリスは色々な輩達から狙われているのだそうだ
吸血鬼最後の生き残りであるクリスは邪な考えを持つ敵からひたすら逃げてきた
つまり彼方からすればクリスは厄介者以外の何者でもない存在なのだがそれでも彼方は自分の家を隠れ家として使ってもいいと言ってあげた
クリスの事は昨日学校へ来てしまったことからバレてしまったので、今日からは普通に学校へと着いてくることになった
いつもは3人だった輪の中にクリスが入る
クリスと耕介は至って平静を装いながらお喋りしていたが、佳苗はどこか上の空といった感じだった
ギクシャクしていて実に滑稽な茶番だった
まず校舎に入ってから所定の手続きをするために職員室に向かうのだが、当然いきなりやってきたクリスを生徒として許容することなど出来るはずもなく教師達が戸惑っている――――と思いきやいきなり聞き分けがよくなりクリスの在籍をあっさりと認める
クリスは暗示の力を使って教師たちを自分にとって都合の良い待遇へと変化させた
それによりクリスはいとも簡単に学校へと溶け込んだ
自己紹介という段階で彼方のクラスメイト達はてんやわんやの大騒ぎ
クリスを見るやいなや囃し立てる
例に倣って質問攻めにあって、しばらく落ち着いてから彼方の後ろの席につく
休み時間に先日転校してきた九重二十重と会話しているとクリスが首を突っ込んでくる
しかし二十重とクリスは顔を合わせるなり牽制し合い、どうも境遇的に馬が合わない
呉越同舟というヤツである
学園に通うようになってから幾日が経ち、クリスもそろそろ馴染んできた
クリスは屋上にて彼方にこちらの学園生活と自分達の国の学園生活との違い、さらに身の上話を語ってくれた
クリスの過去は安穏としていた時間よりはどちらかといえば逃げ回っている時間の方が多そうに見受けられた
ずっと一人孤独であちこちを奔走していたクリスと死ぬ時は出来るだけ周りのしがらみを断ち切っておきたいという彼方の生き方はどこか被るものがあった
どこか落ち込んだように見えるクリスを励まそうと行きつけの喫茶店へと誘う
何故かクリスは出掛ける前に身なりを大幅に変えてきた
衣装はもちろん、言葉遣いや身に纏う雰囲気そのものが異質なものになっている
彼方はさっきまでの陽気なクリスはどこへ行ってしまったのか疑問に思ったがあえて問い質すことは控えた
喫茶店を後にしてからもクリスの様子は依然と変わらない
違和感に我慢出来なくて尋ねてみることにした
クリス曰く、"こちらが本当の私"とのことで、今までのは『自分に暗示をかけていた』のだという
このやけに礼儀正しく清楚なイメージがとても似合う彼女こそが本来の姿らしい
逆に言えば元来の姿を晒したということは彼方はクリスの眼鏡に叶ったということでもあった
それだけ信頼されたということである
彼方がいつまでたっても自分の色香に惑わされてくれないので自分から本性を出すことにしたようだ
そもそもクリスがここにやってきたのは"探し人"がいたから
今となっては手掛かりはほとんどないので雲を掴む存在なのかもしれない
だが彼方はいるかどうかもわからないその人物を探す手伝いをすることにした
クリスの探し人の手伝いをしてあげたいのは山々だが、彼方が一緒にいられる時間はそれほど長くない
なのでこれからクリスが頑張っていけるように贈り物をしてあげることに
宝石店にてクリスに見つからないようにこっそりと宝石を注文する
それからクリスと散歩し、前にも一緒に来たことがある公園を訪れる
クリスはその探し人とかなり昔にここで話したような気がするという
不思議なことに彼方も結構昔からこの公園には来る事があった
そうやってクリスと雑談しながらプレゼントを渡すタイミングを図っていた彼方
しかし渡そうとした瞬間、視界が揺れ意識が途絶える
次に目を覚ましたのは病室のベッドの上だった
クリスが心配そうに見守る中、彼方が馴染みにしている鹿島いずみがやってきて今のところは大丈夫と伝えてくれた
今日のところは病院に泊まることになってしまった
クリスは帰ってもいいんだよ、と言うがクリスの表情は暗い
何やら言いたそうにしているので先を促してあげる
『私と、契約(エンゲージ)してくれませんか・・・?」
エンゲージとは吸血鬼との契ることによって同じ吸血鬼となり、無限の時を生きるということ
一度契約を結んだものとは契約が破棄されない限り、他の者との契約は出来ないらしい
※確かに魅力的な提案だ
どうせ後3ヶ月ほどの命
ここでクリスと契約してしまえば3ヶ月と言わず、永遠へと旅立つ事が出来る
だが、それは今まで"自分が積み上げてきた大切なモノを捨てるということでもある"のだ
吸血鬼になったが最後、それはもう『以前とは違う自分』になる
体質とかそういう問題じゃない、自分としての在り方の問題だ
「人間だからこうやってきた、こうするしか出来なかった。限られた寿命の中でどうやって生きるかの計画を綿密に練ってきた」
吸血鬼になってしまったらそれらの努力が総崩れになってしまうのだ
つまるところ、どこまで行っても自分の我侭
救いの手を突っ撥ねてでも貫き通したい男の矜持
そして何より佳苗と耕介のこともある
あれだけ酷い事をしておきながら、吸血鬼になって無限の時を生きることにしました、なんて自分で自分を許す事が出来ない
自分が自分であるために、吸血鬼になることを拒絶する
せめてあと3ヶ月の間は、"遙彼方が遙彼方であるために"
提案を拒否されたクリスは彼方の考えが理解出来ないと泣き叫ぶ
なんとかクリスを宥めた後、一眠りするといつの間にかクリスがいなくなっていた
急いでクリスを探そうと起き上がる
一方クリスは屋上にて追っ手と対峙していた
相手は人語を話しているものの人間とは思えない
十全のクリスならこの程度の手合いは造作もないはずなのだが、如何せんここのところ吸血鬼の力の源である血を吸っていなかった
人間の食事はせいぜい生活に支障がない程度の栄養しか得られない
このままではクリスは目の前の魔物によって屠られてしまう
と、そこへクリスを探していた彼方がやってくる
血を補給させるわけにはいかないので魔物は二人の邪魔に入ろうとする
しかし魔物の攻撃はどこからともなく颯爽と現れた二十重によって妨害される
二十重が堪えているうちにクリスは彼方から血を貰う
―――――季節は春
ついに彼方が旅立つ時がやってきた
自分がこれまで生きてきた世界を眺める
いたく輝いて見えた
クリスに見守られながら彼方は息を引き取った
END
★いずみ&優彼女達と出会ったのは夏休みに検査のために1ヶ月程入院した時だ
看護婦である鹿島いずみは初対面の彼方にやたら馴れ馴れしく接してきた
まだロクに会話らしい会話もしていないのに軽口を叩いてくる
無視しようかとも思ったがあまりにも引っ付いてくるので仕方なく相手してしまったのが失敗だった
それ以降はお互いに良い意味で皮肉を言い合う、良き間柄になった
2人部屋にいた彼方の部屋に突然やってきた患者が優だった
元々は4人部屋に入るはずだったのが突然の急患で埋まってしまい、本当なら病室は男女別々になるようにしていたのだが仕方なく空いていた彼方の部屋に来ることになった
しかし優はまるで人形みたいに感情が欠落した少女だった
この優の性格だったからこそ、男女同室にすることを許可したわけである
いずみが部屋に入ってきて彼方といつも通りの雑談を繰り広げていても全く反応せず、そっぽを向いている
今はこんな風になってしる優にもかつて笑顔の時代があったという
少なくとも3年前まではこうではなかった
見舞いに来るのは彼女のおじいさんのみ
優はあろうことか家族であるおじいさんにも心を開くことはしなかった
終始無言で本当に聾唖者か何かではないのかと疑い始める彼方
だがおじいさんが去った後、どこか物悲しげな表情でドアを見ていた
あの窓しか見ていなかった優の視線が一瞬でも変わった事に彼方は驚いた
これで感情が欠如しているわけではないことはわかった
そうして彼方はようやく優の意図を理解した
なんのことはない、ただ自分が佳苗にやっていることを同じだっのだ
つまり自分がいずれ近いうちに死ぬとわかっているからこそ、自分に肩入れして欲しくない
肩入れすればするほど別れの時が辛いから
幼い少女はこの歳にて聡明だった
そんな優の心の鎖を解くためにはどうすればいいか彼方は考える
『がんばんなくたっていいんだぞ』
ふとそんな言葉を投げかけてみる
優は相変わらずの無言だった
が、次の言葉――――
『僕は君より先に死ぬ』
その言葉にビクリと体を震わせた
そして驚くべき事にポタリポタリと涙が滴り落ちていた
彼方は慰めるでもなく、ただずっと優の側にいてあげた
この日から本格的に優とのコミュニケーションが始まった
遠慮がちではあるが以前ほどの無関心さは感じられず時折視線を感じる
彼方が「おはよう」と声を掛けると消え入りそうな声で挨拶を返してくれるようになった
ある夜、こっそり彼方が病院を抜け出して買い出しへ行くことになった
看護婦の巡回時間を事細かに計算していざ外出―――――しようとした時、背後から上着を引っ張られる
彼方の上着を引っ張っていたのはなんとあの優だった
無断外出と咎めに来たのかと思ったがそうではなく、むしろ彼方と一緒に行きたそうにしていた
彼方は優を連れてこっそり病院を抜け出した
見落としそうだったがその時、優は微かに笑っていた
後日わかった事だがあの夜の外出の件はいずみにキッチリと目撃されていたらしい
でもいずみはあえて見逃したようだ
そのおかげで優の笑顔を再び見られるようになったのでいずみはからかいながらも褒めてくれた
病院にいるとどうも暇を持て余す事が多くなってしまうので、彼方は独自にチェスの勉強を始めた
彼方が風呂から上がって病室に戻ると優が忽然と消えていた
性格に言うと彼方のベッドに移動していた
しかも彼方と同様にチェスの勉強をしている
お互い覚えてたてで実力的にも丁度良いと判断した彼方は優と一緒にチェスを楽しむことにした
彼方が入院している折に囲碁を教えてくれて親身にしてくれたおじいさんが逝ってしまった
彼方も最後まで付き添いたかったがここからは看護婦達の仕事だといずみに言われ、仕方なく退出した
しかし人の死を前にしていつも気丈に振舞っているいずみの豪胆さには感服せずにはいられない
涙一つ流さずにテキパキ仕事をこなす彼女は普段おちゃらけているがやはり一流の看護婦なのだろう
が、偶然にも病院から少し離れた場所にある礼拝堂にていずみを発見する彼方
そこにいたいずみは打って変わって別人のようだった
涙を流しながら許しを乞うように祈りを捧げ続けている
いずみも人の子であるが故に他人の死と安々と受け入れられることは出来なかった
だから出来るだけ人目のつかない場所で悲哀の感情を消化していた
計らずしていずみの恥部を見てしまった彼方
しばらくいずみの本来は表に出さない胸中を聞いていた
そしていずみは自分が大切にしていた銀のロザリオを彼方に譲った
彼方の症状が本格的に進行しだした頃、優とは拙いながらも一応対話はしていた
彼方が突然倒れ、余命が半年ほどになった時、優は出会った当初では考えられないくらいに感情が発現していた
事もあろうに彼方に抱きついて、彼方のために泣きついてくれた
だがどうやっても死は避けられない運命
そこで彼方は優のために何か出来ることはないかと思案した
優に今一番して欲しい事と言えば、やっぱり家族との家族らしい会話
いわゆる優の身寄りであるおじいさんとの微笑ましいお喋りである
彼方の思いが伝わったのか優はおじいさんと話す事を決意する
最終日
彼方の検査入院も終わり退院する日がやってきた
別れる際に優と彼方はチェスの駒を交換し合った
彼方は黒のキングを優は白のクイーンをお守り代わりとして渡した
優がおじいさんと話し合うのを見届けてから部屋を後にする
おじいさんは感無量といった感じで彼方に感謝した
出入り口付近ではうんざりするほどの看護婦が勢揃いして彼方を祝ってくれた
いずみを含め、軽口を叩かれながらも心の底から退院を祝ってくれる彼女達に感謝し、病院を後にした
END
★佳苗彼方は幼い頃、恐ろしいまでに孤独を好む人間だった
だから一人になれる図書室はとても居心地がよかった
図書委員以外誰もいない図書室
その図書委員が佳苗だった
佳苗も自分からは積極的に干渉するタイプではなかった
二人の接点は佳苗の控えめな提案からだった
冷え込んだある日、図書室といえど寒気は避けられないので佳苗が「ストーブの近くに来ませんか?」と彼方に話しかけたのが切欠だった
どうせ二人しかいないのだからわざわざストーブから離れた場所にいる必要もなかろう、という取り留めもない理由からだった
それからは一緒にいる事が多くなった
戯れに彼方が佳苗の髪を弄って作った三つ編みが気に入ったらしく、それ以来毎日三つ編みをしてくるようになった
佳苗は周りを拒絶していた彼方にとって初めて出来た友達と言ってよかった
本当は耕介が第一号なのだが耕介は生まれた時からお隣さんで家族のようなものだったので実質的には佳苗が最初である
この頃から運がいいのか悪いのかよく分からなかったが佳苗と一緒のクラスになることも多くなり、同じ時を過ごす日が多くなった
そして佳苗と友達になってから彼方は段々と他人に興味を持つようになる
他人との交友も随分と増えた
クリスとの交際を大っぴらにすることで少しでも佳苗を遠ざけようとする彼方
けれども佳苗はいつもと変わらず普段通りに彼方に接してくる
出来るならば自分が死ぬまでもう佳苗とは話したくない、と思っていた彼方は佳苗に話しかけられると早々に会話を打ち切り距離を取ることにする
見るに見かねた耕介が彼方に「あそこまで冷たくする必要があるのか?」と問う
彼方は必要な事だ、と頑ななに意見を曲げない
彼方ががんで死ぬという事情を知っているのは職員を含め、耕介とクリスのみ
しかしここで耕介と彼方の会話を間が悪く佳苗が立ち聞きしてしまう
明確にわかる単語は出していなかった二人だが、鋭い佳苗には僅かのキーワードだけで十分だった
午後から病院に行くことになった彼方
クリスにも付き添ってもらて診療を終え、帰宅しようとする
病院の正門に―――――佐倉佳苗が立っていた
内心で心臓が飛び跳ねるくらいびっくりしたが努めて落ち着き払って誤魔化す
だが深くまで踏み込んで来ようとする佳苗にきつく当たってしまい足早にその場を去る
クリスも辛そうにしている彼方を見るなり辛かったらやめればいい、と言うが彼方は意思を曲げない
あそこまで冷徹になれる彼方にクリスも空恐ろしいものを感じた
クリスは切羽詰まっている彼方に「私は取り返しのつかないことなど、何一つないと思う」と助言だけを残して彼方の部屋を出て行った
クリスにはまだ彼方が佳苗への未練を全然捨てきれてないと見て取ったのだろう
クリスがいなくなってからそういえば今日は毎年恒例のダンスパーティという事を思い出した
なんとなく設営の手伝いに行く
ダンスパーティが始まってから踊る相手になんていなかったという事に思い当たる
佳苗は向こうで耕介と踊っている
別れ際にアドバイスをくれたクリスの言葉を思い出す
クリスが言ってくれたからもう一度佳苗と向かうのだ、と少々情けない理由ながら佳苗の元へと行く
佳苗の手前5メートルで対峙する
しかし佳苗は決心して彼方の近くまでやってきて「一緒に踊っていただけませんか?」と手を伸ばす
決断するべき時がきた、ここで手を取ってやり直すかそれとも非情な態度を徹底するか
彼方が選んだ選択は後者だった
ここまで来て引き返すわけにはいかない
やり直しは効くとクリスは言ってくれたが彼方自身がやり直したくはない
それは自分自身が許さない
ここで無碍に断ることこそが最後に残された意地だった
佳苗は何の理由も無しに彼方から避けられるのに耐えられなかった
しかるべき理由があって嫌われるのならばまだ理解は出来る、諦めもつく
が、彼方はただ突き放すだけ
これでは納得など出来るはずもない
激情に駆られ彼方を問い詰める佳苗には目もくれず会場を後にする
佳苗にはこうやって憎んでくれたほうが彼方にとってはありがたいのだ
酷いことをしているのだから逆に嫌悪してくれないと辛い・・・
佳苗の只ならぬ様子を見て彼方と何かあったことを悟る耕介
彼方との約束があったがこうなってしまってはもうなりふり構ってはいられない
佳苗に彼方の事を全部話すことにした
耕介の話を聞いた佳苗はパズルのピースが全て嵌ったように納得する
どうして自分だけにここまで冷たく当たるのか?
どうして自分には何も教えてくれないのか?
彼方が末期がんであると診断された日、真っ先に佳苗に報告しようとした
ところが彼方が言おうとしたその前に佳苗が『ずっとそばにいてください』と彼方に告白してしまったのだ
彼方はこれから自分の死を親友である佳苗に告げようとする前に、痛烈な一撃を貰ってしまったのだ
萎縮してしまった彼方は自分が近々死ぬなどとは到底言えるはずもない
だから佳苗の告白の返事もずっとお茶を濁してきた
ずっと一緒にいることなど出来ないのだから・・・
最後までやり遂げた彼方
自分の意地を一貫した
同時にこの瞬間に何もかもを失った
いや失ったはずだった
気がつけば佳苗が目の前に立っていた
あれだけ突き放されようとまだ諦めない佳苗には閉口せざえるをえない
だがここにいる佳苗はもう全部"知っている"のだ
耕介から事の顛末を全て聞いた佳苗にとって理由などはもうどうでもよかった
ただ残りの時間の少ない彼方と一緒にいたい、という純粋極まりない衝動でのみ動いていた
頭を空っぽにした佳苗は力強かった
ひたすらに彼方への想いを口に出す
呆れ果てた彼方は今まで保留していた返事をして佳苗を受け入れる
本当にクリスの言っていた通りになってしまった
呆気に取られながらも残り少ない時間を佳苗と共に歩む事を決意する彼方であった
END
★二十重3年の冬に転校してきたという風変わりな少女
表情の変化がほとんどなく感情の起伏があるのかさえもわかりづらい
席は彼方の隣に配置された
放課後一人で校内をうろついていた二十重にこの学校に馴染んでもらおうと案内してあげることにする
ほとんど言葉を話さないので肯定しているのか否定しているのかもよくわからない
でも二十重は悪い気は全然していないようで、自分に話し掛けてくる彼方の事を不思議な目で見ていた
一通り回り終えるとついでに二人で帰った
別れ道で声をかけて別れる
二十重はずっと無言だった
ある夜、彼方がコンビニに行って帰宅する途中に近道である公園を通った時のこと
人気が無く、街灯も少ないので辺りは暗い
ソレは彼方に狙いを定めていたかのように現れた
魔獣と言うのが適切と思われるそいつは有無を言わさず彼方に襲いかかってきた
無論、一般人の彼方に太刀打ち出来る力などありはしない
この瞬間、彼方は死はあらゆる場所に蔓延っている、と理解していた
まさか自分の病気以外で死ぬことなんてあり得ないだろうと思っていた
刹那、銀光が闇夜に煌めく
フード付きの黒衣を目深に被った何者かが目の前に現れ、手にした大鎌で魔獣の腕を斬り落とす
まさしく九死に一生、彼方は突然の闖入者によって生き長らえた
とりあえず背格好からして人間であることは間違い無いようだ
謎の人物は戦い慣れているようで流れるような動作で魔獣の息を止め、何十もの部位に解体してから呪文のようなもので燃やした
彼方は今度の標的は自分か・・・?という恐怖に駆られる
もはやその人は死神と等しく見えた
だがちらりとこちらを一瞥しただけで死神さんとやらは踵を返し去っていった
とにかく命の無事が保証されたことを知ると誰かも分からないのに礼をしていた
死神さんはずっと無言だった
吸血鬼が唐突に現れたのだ、死神だっていたっておかしくはない
魔獣の件といい、もうとっくに非日常の中にいるのだから
先日の魔物に襲われた事もあって出来るだけ夜に外出するのは控えていた
でもまさか人の家にまでは侵入してはこないだろう、と高を括っていたのだが――――
そのまさかだった
彼方が庭に出た時、蠢くものがあった
それは間違いなくあの魔物の類だった
「下がっていろ!遥!」
いきなり声を掛けられたと思ったらあの死神がやってきていた
身軽な動きで前回見た時と同じように魔物を処分する
魔物の攻撃を交わした際にフードがバッサリと破れてしまい素顔が露になってしまった
ずっと死神と思っていた人物――――それはクラスメイトである九重二十重であった
衝撃と恐怖がないまぜになって震える体を叱咤する
ここで二十重に対して恐怖心を見せてはいけないと判断した彼方は出来るだけ明るく普段通りに振る舞う
二十重は彼方のあっけらかんとした態度が不思議に思った
自分に対して恐怖心を抱かないのが引っかかった
彼方はそんな二十重に自分のマフラーをかけてあげてまるで学校帰りであるかのような気軽さで挨拶して別れた
翌日、昼休みに二十重を強引に連れ出して温室にて一緒に弁当を食べる
まさかあの死神が二十重だとは思っていなかったのでそのことについて少し話した
魔物狩りについて尋ねると"仕事"だという
義理や人情で動いてるわけではなさそうだ
まるでそれが義務であるかのような・・・
あまり口数が多くない彼女から全てを聞き出すことは出来なかった
しかしクリスにはおおよその想像はついてきた
あらゆる追っ手から逃げてきたクリスは二十重が"自分を餌に魔物を狩るとある組織の人間"である事を看破していた
要するにクリスあるところに二十重あり、とでも言っても差し支えない
が、クリスには一つ気になる事があった
二十重はクリスが学校へ行く前より先に学校へ来ていた
クリスをひたすら追うのだとしたらクリスが学校に行くようになってからの後発でいいのだ
わざわざ先に行く必要はない
あくまでも推測だが二十重は組織にいながらも『普通の生活』に憧れているのかもしれない・・・
クリスの想像はあながち間違ってはいなかった
二十重とここ最近話す機会が増えているがこちらが踏み込んでも特に嫌がりはしない
多少強引に誘っても抵抗する素振りは見せるものの最終的にはOKする
歳相応の少女らしさもほんの少しだけだが見られるようになってきた
とある夜、またもや魔物がクリスを狙いにきた
もはや恒例となりつつある二十重の魔物狩り
けれどもこの日、二十重は魔物にとどめを刺す事ができずに逃げられてしまう
こんなことは初めてだという
二十重自身が一番驚いていた
手に力が入らずまともに武器を握ることもままならない
二十重は彼方を見て恐ろしいと思った
登校時、珍しく二十重からクリスに「話がある」と持ちかけた
不干渉を貫いていた二十重がクリスに何か用件があるということはよほど重要なことなのだろう
簡単に推察する事が出来た
クリスと二十重の話を盗み聞きしようとする彼方
どうやら二人は近日中にこの街にを離れることを決意した模様
理由はこのままこの街に居続ければ彼方の身が危ないからである
敵を前にして手が動かなかった二十重、吸血鬼としての本来の力を失っているクリス
これでは迫り来る魔の手を払うことなど出来はしない
彼方の身が取り返しの付かないことになる前に二人は場所を変える事にしたのだった
盗み聞きしていたところを容易にクリスだけに見つかってしまう
運良く、二十重は先にどこかへ行ってしまったようで見つからなかった
クリスは二十重の事を彼方に一任すると言ってきた
クリスも鬼ではない
いくら犬猿の仲といえどあれだけ揺れている二十重を見ていると少しは考えも改まるというものである
何せ他人のために動くという二十重はこれが初めてなのだ
少しは情に駆られるというものだろう
彼方は二十重と向き合い、少し込み入った話をする
二十重がこの街から去ってしまうということも包み隠さず話すことにした
端的に言うと二十重は彼方への恋心が募ることによって任務に支障が出るほどになってしまった
元々、魔物を狩る事で市民の安全を守る事が彼女の役目だったがそれがたかが恋愛のために疎かになりつつある
弱体化してまい仕事もまともにこなせなくなった自分が許せなかった
でも彼方は"たかが"とは決して思わない
今までロクに普通の女の子らしい事など何もして来なかった二十重
その手は血に塗れ、戦闘マシーンのように敵を斬り刻むだけ
そんな少女が見つけた人との繋がり
それを大事にしたいと思うのは当然の感情である
彼方は二十重に「行くな」とは言わなかった
二十重は完全に納得は出来なかったが彼方の言うこともまた一理あると思っていた
なので猶予期間として「あと一日側にいてくれないか?」と二十重に持ち掛ける
二十重は頷いた
翌日の二十重を誘い街をぶらつく
いわゆるデートというやつだ
普通を知らない二十重にせめて普通を味合わせてやりたかった
おそらく全てのものが初体験であろう二十重
目に映るもの全てが新鮮に見えたに違いない
最後は学園で開催されているダンスパーティに誘った
やったことがない二十重に手取り足取りで教えてあげる彼方
飲み込みが早い二十重は一を聞いて十を知る具合に上達していく
最後の曲の手前で彼方のがんが牙を剥いたのか膝をついて苦しそうにしている
二十重は無理はしなくていい、と気遣ってくれたがここでヘタレてしまっては情けない
無理を押し通してでも二十重と最後までやり遂げる
彼方は気力を振り絞って立ち上がり、二十重とのダンスを踊り続けるのだった
★クリス(True)※簡単な事だった
別に取捨選択形式でなくてよかったのだ
どちらかを捨てなければ成り立たない、という固定観念がダメだった
どちらもを両立させる、それが遥彼方という男に新たに芽生えた思考だった
吸血鬼となった後でも佳苗や耕介、二十重との付き合いは今まで通り行う
もちろん納得が行く説明をみんなにもちゃんとする
その上でクリスと一緒に生きて行きたい、それが今の彼方の願いだった
今を去る事10数年前、彼方とクリスは会っていた
彼方は幼かったのですっかり忘れていたがクリスはその時の事を鮮明に覚えていた
追っ手から逃げ回っていたクリスは彼方がよく行く公園で悲しそうにしていた
子供ながらに彼方はその時クリスに言ったのだ
「一人が寂しいなら世界をぐるっと回ってきてみてよ。それでもダメだったら僕と結婚して今度は二人で回ってみようよ」
クリスは馬鹿正直にもこの子供の言ったことを記憶していた
そもそもクリスが彼方の元へ訪れたのもこの約束を守るため
今の今になってようやくその事を思い出した彼方
クリスと結婚することを約束、同時に今までの生活を変えることもしない
彼方からの求婚を聞くなりクリスはぱぁっと破顔し、力が漲ってきた
血の補充なんぞ必要なく、愛の力にて眼前の敵を葬り去る
エンゲージを果たした彼方はクリスと共に無限の時を生き、これからどうやって二人で過ごしていくかの算段を立てるのだった
END
■各シナリオ感想●クリス(Normal)
やっぱ健速のシナリオが輝くのはNormalだわwTrueよりこっちのが断然いい
最後まで信念を貫徹した彼方に敬意を評したい
このシナリオは健速独自って感じがするなぁ
『あすせか』もこんな感じで凄く良かったからね
彼方ががんで"死ぬってことに意味がある"んだよ
それが助かっちゃったらもう拍子抜けというかガッカリ感半端なくなっちゃう・・・
クリスの餌にも飛びつかずに断った時は本当に震えた
屁理屈に聞こえるかもしれないけど、今まで自分が蓄積してきたものを壊したくないってのは痛いほど分かるんだよ
それは形で表せるものではない、自分の内に秘めたる思いの容量
器をひたすら自分にとって大切な物で埋めてきたってのに吸血鬼になって生き続けることになってしまったら折角溜めた中身の詰まった器を傾けられて全部流されてしまうんだよ
同時にクリスも能動的に血を吸わないようにしていた
それは自分が吸血鬼であることを出来るだけ彼方に意識させたくなかったから
でも最後の最後で自分の弱さを見せてしまった
彼方の血を吸わない事で保ってきたプライドを彼方を生かすためにはエンゲージしなければならないという状況に破砕され、自分はどこまでいっても所詮は吸血鬼であるということをまざまざと思い知らされる
彼方とクリスは似たもの同士ということをシンクロさせたシーンは見事
「え?これ彼方が死なないってことはないよね?死なずに生き残ったらマジ萎えるよホントに。死ななかったらクソ展開死ななかったらクソ展開死ななかったらクソ展開(連呼)→彼方死亡→流石健速さんやでぇ~(絶賛)」↑
クライマックスでこんなことずっと呟いてたwwwwwwwwwww●佳苗最後に佳苗ちゃん報われてよかった・・・本当に・・・w
だってこのゲームで一番可哀想なのどうみたって佳苗だよマジでw
告白する間が悪かったとはいえ何ヶ月もずっとあんな感じで冷たくされたら精神崩壊しちゃうマジでやばいやばい
この子が何故ヤンデレにならなかったのか不思議なくらいだwww
まぁこの当時ヤンデレがあったのかどうか知らないけど、佳苗の彼方を諦めないという精神力の高さには畏敬する他ないw
素気無くされても決して折れない彼女の彼方を思う心は素晴らしいと思います
というか佳苗ちゃん滅茶苦茶一途で良い子だろうが!こんな良い子を捨てるとか彼方さんマジ許さねぇ!wまぁ彼方も中々気難しい性格してるからこればっかりは仕方ない
タイミングさえよければこの二人がくっついて終わりなのにねw
あと耕介は佳苗の事が好きで必死に好かれようと頑張ってたのに当の佳苗が内心では彼方の事しか見てなくて草はえる
耕介超損な役割www
●いずみ&優いずみのシーンよりは優のシーンのほうが響いた
彼方と優のコミュンケーションの進み具合を"チェスを覚えていく道程"と同調させて描いていたところが素晴らしかったなぁ
殻に閉じこもった優の心をこじ開けさせた彼方の言い回しも注目したい
結局この二人が仲良くなれたのって同じ死に向かう運命だったからなんだよね死が確定している人間とそうでない人間の心はなかなか=では結びつかない
頑張っても≒止まり
でもお互いに死ぬことがわかってれば少なくとも自分と同じ境遇の人間であることが分かるから親近感の湧く度合は健常な人に比べたら何倍もあるはず
優のおじいさんだけでは決して打ち解ける事が出来なかった優の心を解した彼方の手腕も見所ではないかと
●二十重
二十重ちゃん途中からイチャラブルートなんだよなぁwwwwww
意外と早く堕ちたなァ~(KBTIT)って無意識のうちに言ってたwwwwwwwつってもただイチャイチャしているだけではなく二十重ならではの苦悩して葛藤するシーンはなかなか
二十重のバックにいる組織について一切触れられてなかったのは残念だったけど、この様子だとずっと属し続けるっぽいね
辞めるという選択肢はなさそう
というか二十重自体が誰かを守るという使命感、正義感に駆られているところもあるからしょうがないか
彼女はそれを仕事と言うけど俺から見れば任侠心溢れる立派な子なんだよなぁ
●クリス(True)本作で一番萎える展開になったのがクリスTrue
俺がNormalでなって欲しくないと思った展開になっちゃったルートですww
このルートはやっぱガッカリ感があるよね
最後の最後で彼方が自分の考えを曲げた・・・とまでは言わないけどなんか今まで自分が保持してきたものを変質させちゃったからねぇ
都合の良い方向へとシフトしたというか、個人的にこの思考はしてほしくなかった
クリスとの昔の約束があったからこうなるのが正道といえばそうなのかもしれないけど・・・
佳苗涙目wwwwwwwwwクリス「ずっと昔から好意を寄せてた男の子が実は別の女と結婚の契りを結んでいたのを知った瞬間って、どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?」佳苗「くそうぜぇ」
■キャラ九重二十重>佐倉香苗>クリステル=V=マリー>朝倉優>鹿島いずみ
▲九重二十重クールな感じで一番好きです
実際クールというよりは口下手なだけなんだけどね
たぶんずっと組織に所属して魔物ばかり狩り続けていたから感情の機微がなくなってしまったんだ・・・
そうに違いない
小柄な割に腕力は男性よりも強かったり
まぁあれだけ巨大な大鎌をブンブン振り回す娘だから当然ですよね
デレていく過程がとても可愛いですね
後半デレ過ぎててもうフニャフニャになってるけどwww声優は一色ヒカル
あぁ^~何度聞いてもヒカル姉貴の演技たまんねぇ~
こういうキャラやらしたら最高ですねこの人
一色ヒカルの声は何故かそれほど飽きが来ないんだよなぁ

カッコ良すぎィ!
おじさんはねぇ、こういうねぇ、武器を使う女の子が大好きなんだよ!!(もはや恒例となりつつある台詞)▲佐倉香苗前述したとおりとっても良い子ですね
もうこんな女の子いたらマジで結婚したい
それくらい一直線
三つ編みがチャームポイント
本がとっても好きでいつも本読んでいる
本作品ドM体質者www
声優は風音ということもあってエロシーンの喘ぎ声が『エロい』
あぁいいっすねぇ~
風音と一色のヒカルの共演最高にいいゾ~コレちょっと前まで風音と一色ヒカルの声の判別が出来なかった(聴覚障害)けど二人同時に出演してるとハッキリ違いが分かるゾ
佳苗は幼い頃の方が可愛いんだよなぁ
▲クリステル=V=マリーメインヒロイン
美しい金髪が印象的
人の形をしているものの吸血鬼ということで人外の力を行使出来る
健常時の彼女の力は絶大
とはいったものの、クリスTrueで襲ってきた魔物を手負いなのに瞬殺してるシーンは草不可避wwwwwwwww愛称はクリス

どうみても18歳なわけないだろ!いい加減しろ!

クリスさん美人なのにちょっと顔芸酷すぎんよ~
二枚目の画像で大草原不可避wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
▲朝倉優ロリータ・コンプレックスの人には大ウケ間違いなしの優ちゃん
結構意地っ張りなところが可愛い
あと彼方を他の女に取られまいと嫉妬してるところがイイね!

ようじょのこかんにかおをうずめたい▲鹿島いずみ陽気な看護婦お姉さん
表面上はいつもふざけている感じだけど、割と胸中では色々考えている
看護婦って仕事はスマイル大事だから看護婦の鑑とも言えるけど、本当に辛い職業だよね
スゲー優秀な看護婦だと思うよ

おっぱい超でかい!!
■曲、BGMOP
OP full
ED
OP、EDは家計でも有名なKOTOKO&MOMOコンビ相変わらずこの二人いいね
EDもいいけど、OP超好き
なんかKOTOKOの曲全部良い曲に聞こえてくるから困るww
KOTOKOの凄いところは歌詞とシナリオのシンクロさせ具合がマジパネェんだよ
こういう歌詞は本人も実際ゲームのシナリオ読んでから書いてると思うんだけど、KOTOKOの作詞した曲はそのゲームクリアした後に聞きながら読んでみると「あーこれこのゲームのシナリオだわwww」って一発で分かるようになってるから凄い
クリアした後に歌詞を読んでみると実に納得出来たりする
こういう歌詞作りは本当に嬉しい
BGM
・ささやかな一歩
・まもるべきもの
・涙の訳を
・うちがわのひかりこの4つが特に良い
■総合ライターが健速なのでとても俺の好みなシナリオだったんだけど、非情に惜しいんだよなぁw
一番惜しいのは中二要素
正直このゲームに中二要素はいらなかったと思うんだ
吸血鬼が出てくるという以上、ある程度の中二要素は仕方ないとは思うけどどちらかと言えば中途半端感じがするので健速シナリオの良さを殺していると思う
特にクリスルートのラストの魔物との戦闘シーンは陳腐に見えてしまって思わず爆笑してしまったんだよなぁwwwwwwNormalは魔物を倒すシーンがカットされてていきなり、彼方が死ぬ直前まで移動するので「おいwwwあいつどうなったんだよwwwwwwww」ってモロに突っ込んでしまったし、TrueはTrueでいきなり本気出したクリスが今までの苦労はなんだったんだ・・・と言わんばかりに愛の力であっと言う間に滅してしまうしwwwとにかく盛り上げるべきところで盛り上がらなかった感がある
その理由として中二要素が原因だったんじゃないかなぁ、とどうしても思わずにはいられなかったり
私的には二十重の背後にいる組織についてももっと掘り下げて欲しかったんだけどそれも無かったので残念
てっきり二十重のルートは組織に関連したことだと思ってたんだけどそういう展開にならなかったのは予想外
とは言ってもこのゲーム自体がそんなに長くないから仕方ないのかもしれない
10時間程度でクリア出来るゲームだからねぇw
遅い俺でも12時間くらいで終わった気がする
それ故に短いシナリオにしては綺麗に纏まっているとは思う
ラストだけで判断するならば一番良かったのはいずみ&優ルートかもしれないその分、各ルートの最後に到達するまでの所々に「いいなぁ~」って思わせるシーンが多々ある
特にこのゲーム最大に良い文章と言えば俺は間違いなく主人公:遥彼方の独白を推す




在りたいように在る、ということはとても難しい。それは、生きることが難しいという事だと思う。僕は今になってそう思うようになった。
在りたいように在るには、他人を考えずに行動しなければならない。しかし、おおよそ人間は他人の感情を無視して行動する事を良しとしない。だからこそ時に人は迷い、そして予期せぬ生き方を強いられる。それはどこまでも『自分』に付いてまわる、永遠のジレンマだ。
本当に自分のしたいように生きるためには、たった一人孤島で暮らすことが必要なのかもしれない。
でも、もしかすると、在りたい自分、というものをはきちがえているのかもしれない。時折、そう思うことがある。本当に大事な事は、例外なく成り立つはずなのだ。他人が居ようが居まいが、時間がどれだけあろうがなかろうが、そんなこととは関係なく成り立つはずなのだ。
それが解っていても僕は迷う。どうしても人と時とに迷う。迷いを断ち切ることが出来ない。頭で考えた事をこころが拒絶する。その当たり前の現実に押しつぶされそうになる。
砂時計が落ちきる前に、こころに折り合いを付けなければならない。起きて、食べて、寝る、そんな諾々と生きるためだけの人生など願い下げだ。生きているうちから死んでいるようなものだ。
もっと、違う人生を。
それはきっと・・・・・・・・
平凡で幸せな日々を無限に生きるように。
この文章は本当にしばらく頭に残るほど感銘を受けた文章だった
誰しもが無意識のうちに行なっている事を"あえて文章化する"という健速の描き方が大好きこの文章がこのゲームの全てです
俺はこの文章が『こなかな』の全てだと思っています
冒頭とクリスルートの終盤に出てくる文章なんだけどホント素晴らしい
最後の「平凡で幸せな日々を無限に生きるように。」はクリスルートのTrueでしか出てこない文章
まさにこれからのクリスとの日々に思いを馳せた感じの意気込んだ文章
健速の才能を感じた瞬間でもあります
しつこいようだけどこの文章は本当に好きすぎるくらい好き
名言ならぬ名文だと思います
死生観といい、病院で助からない程の病といい、ナルキとどうしても比べてしまうところがある
両作品のそれぞれにいい所はあるけど中二要素がなく現実味がある分、個人的にはナルキの方が上回るかな
あと遙彼方って名前からリトバスの葉留佳と佳奈多を連想してしまったw
リトバスの二人の名前を足したような名前w
「マジで微妙な中二要素さえ無かったらなぁ・・・」と何度悔やんでも悔やみきれないほどに惜しい作品だw↑
だからこの作品は中二要素が無いと成り立たねぇ作品だって言ってるだろハゲ!
S(神)
Ever17 -the out of infinity- Steins;Gate この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
BALDR SKY Dive2 "RECORDARE" WHITE ALBUM2 -introductory chapter-
WHITE ALBUM2 -closing chapter- 家族計画 ~絆箱~
A(優良)
車輪の国、向日葵の少女 G戦場の魔王 装甲悪鬼村正
11eyes -罪と罰と贖いの少女- 素晴らしき日々~不連続存在~
グリザイアの果実 キラ☆キラ euphoria
BALDR SKY Dive1 "LostMemory" そして明日の世界より――
真剣で私に恋しなさい! 最果てのイマ 英雄*戦姫
リトルバスターズ!エクスタシー あやかしびと
-atled- everlasting song この青空に約束を― narcisu
narcissu SIDE 2nd 穢翼のユースティア
B(良)
CROSS†CHANNEL 車輪の国、悠久の少年少女 CHAOS;HEAD
俺たちに翼はない 3days -満ちてゆく刻の彼方で- Rewrite
BALDR SKY DiveX "DREAM WORLD" 天使のいない12月
WHITE ALBUM 輝光翼戦記 銀の刻のコロナ
Sugar's Delight もしも明日が晴れならば 沙耶の唄
はつゆきさくら こなたよりかなたまで←NEW
C(普)
装甲悪鬼村正 邪念編 家族計画 ~そしてまた家族計画を~
D(微)
fortissimo//Akkord:Bsusvier
※チラ裏
色んなジャンルのエロゲをやってきたけど正直、装甲悪鬼村正は今となっては余裕でS評価で良いと思います・・・
まだほんの少ししかエロゲやってない頃は「これより絶対良いエロゲある!絶対ある!」って思ってたんだけど、
正 直 あ れ が 最 高 峰 ク ラ ス だ よ
今更評価を直すのメンドイのでAにしておくけど、現時点での評価はSってことでw
あれほど完成度の高いシナリオはそうそうないよ・・・マジで