ラブライブ!サンシャイン!! 9章

 その出会い、まさに青天の霹靂。
 僕にとって絶対に忘れる事が出来ない日となった。
 天空には暗雲が立ち込め、辺り一帯は闇が支配する。
 不意に魔法陣が現れたのを確認すると女の子が中心に立っている。
 少女の口から紡がれるは黒魔術。この世界の理から外れた異界の言葉が紡がれる。僕はただ彼女を黙って見ていることしか出来なかった。
 突然、彼女が振り返って僕を正眼に捉える。そしてこう言った。

「一緒に堕天、しない?」

 衝撃的だった。この時のために僕は生きてきたのだと真剣に思った。心を満たすのは安堵でも恐怖でもない。そんなものは突如現れた大海嘯が奪い去ってしまった。
 圧倒的なまでの服従が完全に心を支配していた。常人ではまず到達出来ない神域に彼女は存在している。そこから彼女は堕ちようというのだ。喜んでお供したいと思う。

「善子、一生付いていくよ……」
「ヨハネ!」

 おっと失言だった。彼女の名前は"ヨハネ"だった。
 冥界より来たりし堕天使。いや善子という時代錯誤の名前も可愛いと思うのだが。「冗談はよしこさん」なんて言ったら怒られるだろうか。昭和真っ盛りの名前だから今時珍しくて強みになるのに。柳眉を逆立てた姿も見てみたいな。

 僕が何故彼女を愛してしまったかというと圧倒的なまでの存在感に他ならない。他のキャラを大きく凌駕する独特の言葉遣いに所作、全部に虜にされてしまった。31歳のおっさんが年齢が倍違う16歳の少女に骨抜きにされるなどあってはならないことだが、本気で愛してしまったのだから仕方ない。中二病の影で普通の女子高生をしようと努力しているのも見逃してはならない。彼女はちゃんと空気の読める女性なのである。皆に合わせようと思っているが時折疼くと真なる闇が顕現してしまうのだ。そんな所も愛おしい。
 僕は彼女のリトルデーモンとなり、どこまでも堕ちて行こうと思う。

「ヨハネ――堕天」

ラブライブ!サンシャイン!! 8章

 ウェットスーツが非常に似合う少女、松浦果南。
 海で取れる海産物を干物にしてプレゼントしてくれる。
 本作で最もクールビューティと言って良いポジションにあり、本心を安々とは外部に漏らさない。少しミステリアス掛かった振る舞いが僕みたいな軟弱者のハートを穿つ。外柔内剛という四字熟語が適当だろうか。僕の好きな言葉だ。
 身長が高く、背筋を伸ばした時の姿は一層美しい。
 ポニーテールも十分素敵なのだが、残念なのは髪を下ろした姿を見られなかったことだ。解ける瞬間を座して待っていた僕が馬鹿みたいじゃないか。飾らないありのままの君を晒して欲しい。

ラブライブ!サンシャイン!! 7章

 唐突にやってきた小原鞠莉はこれまたいきなり浦の星女学院の理事長となる。
 人懐っこく誰とでも気兼ねなく話せる豪胆な心の持ち主。千歌達のスクールアイドル部設立を援助してくれたのは3年生の中で彼女だけだ。アイドル活動が好きであることを前面に押し出してくる一方で目標は高く、生半可な気持ちでやることは認めないという威厳も持ち合わせている。
 個人的に志は好きではあるが、一つ苦手な部分がある。
 それは中途半端な英語を使いたがるところだ。
 鞠莉が言い放つ英単語はスペル一つだけなものの、無駄に発音が良くて完全にこちらを笑わせに来ているのが厄介だ。これだけしっかりしているのなら全台詞を英語で喋ってくれた方が良かった。それならべた惚れしていたと思われる。
 
 全然関係ないのだが、僕はパソコンの既定の言語にて『Google 日本語入力』というのを使っている。Microsoft IMEと違って流行りの言語は自動的に更新されて、キーボードで入力した際にTabキーを押すと変換候補に流行語が出てくるのが良い所だ。度重なる更新によっていつの間にかサンシャインのキャラもちゃんと登録されていた。
 けれども1つ例外があった。

「小原鞠莉だけ登録されていないじゃないか」

 不思議なことに他8人は変換候補としてすぐ出てくるのに鞠莉だけが出てこないのだ。これはどういうことだ? 彼女はハブられているのか? そんなに仲間外れにしたいのか? 鞠莉はAqoursのメンバーですらないのか? 断固Googleに抗議するつもりだ。久しぶりに遺憾の意を発動したい気分である。僕が総理大臣になったら最初に「Google 日本語入力に小原鞠莉というワードを今すぐ登録しろ」と命令するね。

ラブライブ!サンシャイン!! 6章

「ブッブー!」
「放屁でもかましているのか?」と言いたい。
 事ある毎に否定の言葉を告げるのは我らが生徒会長黒澤ダイヤ。ルビィの実姉である。
 アイドルに向ける熱意は姉妹共通だが性格は真逆と言っていい。厳格でルールを重んじるタイプ。堅苦しさを感じることもあるが裏を返せば皆のためを思ってのことだろう。
 微妙に交じる棒読みとおばさん臭い声が堪らなく癖になり、耳にこびり付いて離れない。
 そういえばルビィの髪の毛は赤に近いピンクなのにダイヤは黒だ。姉妹なのにどうしてここまで髪色が違うのだろう……
 機会があればご両親に問うてみたいものだ。父母のどちらかがピンクでもう片方が黒髪ならこういうケースも有り得るのか。興味深い。
 チャームポイントは口元にある黒子である。取って食べたらチョコレートの味がするに違いない。

ラブライブ!サンシャイン!! 5章

 真紅の輝きが目の前にあった。
「ルビィちゃん、きゃわわ」
 臆病でありながらアイドル活動には意欲を見せる彼女の姿勢が大衆の胸を打つ。
 人見知りで親密な関係にならないとまともに会話が成立しないが、そこに愛嬌を感じさせる。
 舌足らずな喋り方ように聞こえるが、発音はしっかりしているのも世の大きなお兄ちゃん達を惚れさせる要因だ。
 僕が少女を好きになるかどうかを大きく分けるのは利口であるかどうかである。喚き散らすだけの馬鹿は嫌いだ。自分がどう在りたいか明確なビジョンを持っている娘は好感が持てる。
 ルビィは他人に思いやりと気遣いが出来る健気な女の子。もうこれだけで十分だろう。彼女を只管愛でたい。サンシャインの世界に入り込めるのなら、真っ先にルビィの頭を撫でてあげたい。そしてギュッとハグしたい。えっちな悪戯したい。最後にお縄に付きたい。

「生まれ変わったら、ルビィちゃんのお兄さんになれると、いいな――」